北朝鮮で、「コンピュータ秀才」の選抜養成が本格化しており、関係者から注目されている。 課外教育施設の「万景台学生少年宮殿」「平壌学生少年宮殿」と、これらに付属する金星第一高等中学校、金星第二高等中学校に「特別養成基地」を設け、コンピュータを扱う才能に優れた少年少女を全国から選抜して送りこむという。 北朝鮮は、ソフトの開発能力がこれまでの予想を上回る水準にあることが分かっており、金正日総書記も最近上海を訪れ、IT(情報技術)関連施設を視察するなどしている。また、ソウルに本社を置く貿易コンサルティング会社と、中国の丹東地域にコンピュータ・プログラム開発の合弁会社を設立することでも合意した。 しかし、北朝鮮ウォッチャーが注目するのは、こうした「開放」の側面ばかりではない。 軍事優先主義を掲げる北朝鮮が、ITの発展に伴う「軍事革命(RMA)」への対応を急ぐ一方、ITを通じて外部の世界に接する能力をもつ人材を把握して隔離する狙いが指摘されている。情報の流入が独裁国家の閉鎖体制を揺るがす事態を恐れているというのだ。

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