韓国と北朝鮮の間の懸案となっている金正日総書記のソウル訪問の際に、最低でも三百万人のソウル市民を歓迎のために動員するよう、北朝鮮側が金大中大統領に求めていたことが明らかになった。 韓国大統領府のある関係者によると、「昨年六月の金大中大統領の平壌訪問では、平壌市民二百万人の三〇%にあたる六十万人が金大中大統領を歓迎したのだから、金正日総書記がソウルを訪問する際は、ソウル市民一千万人の三〇%にあたる三百万人が歓迎のため動員されるべきだ」というのが北朝鮮の言い分だ。さらに「この歓迎の規模をめぐる協議は南北指導者の再対面における重要な前提条件として挙げられている」とこの関係者は言う。 韓国の場合、北朝鮮とは違って市民動員には限度がある。最近の国民感情を考えれば、百万人の動員でもかなり難しい。北朝鮮が無理難題を押し付けているのは明らかだが、韓国政府は金正日総書記の早期訪問実現に懸命なだけに、対応に苦慮している。また、鉄道旅行に固執する金正日総書記の嗜好を考慮し、金大中大統領は南北間の京義線復旧工事を早急に完了するよう関連機関を督励しているという。

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