北朝鮮にとって、麻薬をのぞけば唯一と言っていい外貨稼ぎの手段である中東向けの武器輸出に米国がストップをかける可能性がある。武器の主な輸出先は、イラク、イラン、シリアで、ミサイル・同部品、機関銃、野砲、弾薬などが取引されている。その規模は公式には年間六千万ドルだが、非公式には年間三億ドルを超すといわれる。 ワシントンの北東アジア専門家によれば、「現在、中東地域に流入する武器の相当量が北朝鮮製。北朝鮮製の武器は、中国製に比べて値段が安く、安定して供給されることが長所とされ、中東地域のテロリストにも歓迎されている」という。 ところが、最近米国が北朝鮮にテロ関連の情報協力を公式に要請した。米国は北朝鮮に対して、どのような武器を、どれぐらい中東地域に供給したかという情報を求めている模様で、特にミサイルと関連部品の供給に関する情報入手が目的のようだ。これに対し、北朝鮮が情報を提供するかはまったく不明だ。米国は、テロリスト支援を理由に北朝鮮の中東地域に対する武器輸出中止の圧力をかける戦術に出るとみられるが、したたかな北朝鮮が相手、結局虻蜂取らずということもありえる。

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