米軍のアフガニスタン攻撃が終了後、米国は今回の攻撃を支援した周辺諸国への“成功報酬”の支払いを余儀なくされそうだ。 外交筋によれば、米軍に基地を提供したウズベキスタンに八十億ドル、タジキスタンに二十億―三十億ドルの経済援助を約束したとされ、パキスタンへの経済援助は最高二百億ドルに達する見通し。核実験に伴う経済制裁も、パキスタンの要求通り解除された。ロシアのプーチン政権も情報提供、領空通過など五項目の対米支援を行なったが、見返りとして、(1)世界貿易機関(WTO)加盟承認(2)債務削減(3)米企業のロシア投資奨励(4)カスピ海油田のパイプライン敷設協力(5)チェチェン政策への批判中止――などで米口密約があったといわれる。 米議会は総額四百億ドルのテロ対策費の拠出を認めたが、アフガン攻撃は極めて高くつくことになる。ロシアも中央アジアも見返りなしには動かない国であることを米国は思い知るだろう。もっとも、米政府は日本に対して、パキスタン、ウズベク、タジク三国への政府開発援助(ODA)の増額を求めており、日本に一部を肩代わりさせる構想かもしれない。

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