郵貯や簡保のお金は戻ってこない? 本四公団の“価値”は、今より三兆円ぐらい安く見積もるべき?――地方自治体や特殊法人など政府が公的セクターに使ったお金は、事実上多くが焦げついている。公認会計士が「常識的」に試算する債務超過国家の姿。 残業手当が減り、妻のパート収入も減る一方で、ローンだけは確実に自動引き落としにあう悲哀……。そんな時にはまず、借金がいくらあるかを考える。次に別の紙を用意して、預貯金、株式、ゴルフ会員権、売れそうな貴金属や絵画、更には生命保険の解約返戻金などがいくらあるかのリストを作成するのがサラリーマンの手順である。 自宅などの固定資産は売りにくいし、現に家族が住んでいるのだから売ってもまた借りなければならない。そこでとりあえず、流動性のある金融資産を上の方に、固定資産を下の方にして一覧表を書いてみる。リストを見れば、自ずと何をすべきか見当がつく。流動資産を処分したら何とかなりそうか、更なる節約をして生活費を切り詰めるか、いよいよだめなら子供に進学をあきらめてもらうとか、自宅の売却まで必要かもしれない。 こうした手順は企業でも国家でも同じこと。この一覧表のことを、貸借対照表というわけである。国家の貸借対照表は、財務省のホームページ(http://mof.go.jp/jouhou/syukei/bstop.htm)から入手できる。ここには平成十三年三月三十一日現在の資産と負債について、国と特殊法人とを連結した連結貸借対照表が公開されている。この試算は財務省が主宰する「財政事情の説明手法に関する勉強会」が行なったもので、その概要を表1にまとめた。

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