ロシアのプーチン政権が二期目の最大課題に掲げる行政改革で、各省庁の次官を二人に削減するよう通達。ロシア外務省は機能が麻痺状態に陥っている。 これまで十三人も次官がいたのも異常だが、一気に二人になると指揮系統が混乱する。省内の話題は、誰が残るかで持ちきりだ。 対日関係にも影響が出ている。駐日大使に転出したロシュコフ前外務次官(アジア担当)の後任には、南アジア専門家のアレクセーエフ前欧州安保協力機構(OSCE)代表が内定していたが、次官二人制のあおりで発令ができず、宙に浮いたままだ。このため、対日外交の決裁をする人物がおらず、六月末に予定される川口順子外相の訪露準備も進んでいない。 現在三つあるアジア局をアジア総局に統合、アレクセーエフ氏が総局長に就任する案も出ており、露外務省当局者は「省内の混乱は夏まで続く」と予測している。 日本側は北方領土問題などで早期に攻勢をかけたい意向だが、今秋に予定されていたプーチン大統領の訪日は、「早くても来年春」(露政府筋)に延びる見通しという。

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