昨年五月に首都リヤドの外国人居住地区で発生した自爆テロに、サウジアラビアの実質的指導者、アブドラ皇太子が隊長を務める国家警備隊が関わった疑いが濃厚となり、関係当局を慌てさせている。 この関与説を明らかにしたのは、国家警備隊の訓練事業を請け負う米ヴィンネル社で訓練要員を務めていたラファエル・マルドナード氏。イスラム過激派に共鳴する隊員が、訓練のためと称して前夜から居住区のガードマンを連れ出していたほか、過激派に居住区内の地図も手渡したという。 証言の信憑性は高いと見られ、実際、現場に残された車からはコンクリート製の改造ハシゴとともに居住地区の詳細な地図などが見つかった。また、通常は五十―七十人はいる居住地区のガードマンが、事件発生の前夜に訓練の名目で国家警備隊に呼び出され、外国人居住地区が無防備になっていたことも確認されている。 今年五月一日、紅海に面するヤンブーで発生した欧州企業での銃撃事件でも、四名の犯人のうち三名はヴィンネル社の社員であったことが判明しており、今後、サウジの石油関連施設などでのテロ活動活発化が懸念される。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。