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投稿者:
imomushi
2014年06月26日22時25分
本記事は「イラク情勢」を主題として、「アメリカの姿勢」との関係を的確のレポートされていると思います。
この「アメリカの姿勢」は、日本にも大きく関係しますので、主題から外れてまことに恐縮ですが、一国民から見た率直な感想を以下に記させていただきます。
>アメリカはいま、ケーガンのような「超大国の責任」を訴える声と、リッチのような「反省」を求める声に割れ、大統領は後者だ。
この「アメリカの姿勢」を、世界はどう見ているのか? と考えたとき、おそらく二つに分かれるのではないかと思います。
A)憂慮しつつ見ている。
B)もっけの幸い、と、ほくそ笑んで見ている。
B)の代表格は、おそらく誰の目から見ても、“超大国”を目指して驀進中の「中国」だと思います。
中国にとっての最重要課題は、おそらく、「目障りな日本を国際社会から抹殺する」ことでしょう。
オバマ大統領が以前、どこかで言っていた「アメリカは世界の警察官ではない」と併せ、「10年も戦い続けたアメリカには限界がある」、あるいは、「なんでも軍事力で解決できるというわけにはいかない」、などという言葉を、(中華型)方程式の変数として与えると、それは変換され、中国人の耳に 「中華帝国さん、あんたの好きにして オバマより」 と心地よく聞こえることでしょう。
習近平(Xi Jimping)が2013年6月7日にオバマにささやいた、「広大な太平洋には中米両大国を受け入れる十分な空間がある」という誘いに対する答えとして、オバマから「O.K.」という念願の答えがかえってきたと、習近平は思うのではないでしょうか。
いよいよ「中国の夢」を実現する時が来た、と習近平が勇躍する姿が目に浮かびます。
とは言え、中国にも悩みはあるように思います。
レアアース禁輸で日本を グゥ の音も出ないほど痛めつけたはずが、あまり グゥ と言ってもらえず、また、中国海軍の威力を世界にアピールすべく、自国の貨物船を護衛したが、ソマリアの海賊に襲われて人質までとられ、身代金で解決。更には、武力で領土を拡大したものの、その領土の上に住む先住民のことまでは気がまわらず、自ら撒いた阿漕(あこぎ)がたたって日夜レジスタンスにあっている。加えて、とにかく世界がびっくりするほど巨大にふくらませた風船は、いつはじけることやら、衆人環視のなかで覆い隠すこともならず、どうしたものか。 というように見えます。
オバマ大統領の頭の中には、過去(歴史哲学)はあまりなく、今をどうしのぐか(=中国とどううまくつきあうか。日本はそれを邪魔するな)が支配的のように見えます。
このような環境条件下で、日本はどうしたらよいのか?
それは、今のうちに懸案の「ロシアとの間の問題解決」および「北朝鮮との間の問題解決」を粛々と進めるのが良いのではないかと、自分(imomushi)は、素人考えをします。
日米関係が最重要であることに異論はありません。この重要な関係を壊したのは鳩山・菅ですが、オバマの政治理念も無関係ではないはずですので、本格的な回復はオバマ氏の次に期待したいと思います。
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投稿者:
The Sovereign
2014年07月11日02時07分
政策決定における「専門家」の役割
アメリカの外交政策決定において、対中東政策と対中国政策を比べると、地域の専門家が関与している度合いが全く違うことに驚かされます。対中国政策においては、天安門事件以来この25年、中国語ができて、現地の事情、国内政治事情に精通した地域研究の専門家が政策決定に大きく関与してきたのに対して、イラク戦争の決定をはじめとして、対中東政策には中東地域研究の専門家が全くといっていいほど関与していません。ベトナム戦争のときの意思決定も、当時(今もそうですが)東南アジア地域研究の専門家が少なかったこともあって、地域の事情に精通した人がほとんど関与しないまま政策決定が進められました。結果は周知のとおりです。
こうした地域研究の専門家不在での政策決定では、往々にして政策に対して大きな「利益」をもつ人たち、とくにアメリカやヨーロッパに亡命してきている人たちの意見が政策に反映されやすくなります。イラク戦争に至る過程でのチャラビ氏の影響力などが典型的ですが、こうした人々の意見は現地の人々が望んでいることと乖離していることが多く、事が起こってからの後始末に苦労する結果になりやすいという問題があります。対中国政策で、亡命中国人のハリー・ウー氏の意見に沿って政策決定がなされていたら、米中関係は大混乱に陥っていたことでしょう。
地域研究の専門家は現地の「ニュアンス」に精通していることが多いので、そういう人たちがアメリカの政策決定に関与すると、現地事情を反映した政策ができて、問題を未然に防いだり、後始末をしなくてはいけないときもそれがスムーズに行われやすくなります。アメリカの外交政策の成功と地域研究専門家の関与の度合いの間に正の相関関係があるのには、ちゃんとした理由があるのです。
アラビア語とペルシア語の両方を流暢に話すライアン・クローカー氏がイラク大使を務めたときに実行された増派(サージ)がイラクの内戦状態を終わらせたのに対して、クローカー氏が強く反対したイラクからの米軍の完全撤退の後に、イラクが再び内戦状態に陥っています。クローカー氏をはじめとするアフガニスタン大使経験者は、今アフガニスタンからの米軍の完全撤退に反対し、1万人規模の米軍は残すべきだと主張していますが、厭戦気分の世論に配慮したオバマ政権は完全撤退に踏み出そうとしているのは心配です。
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この「アメリカの姿勢」は、日本にも大きく関係しますので、主題から外れてまことに恐縮ですが、一国民から見た率直な感想を以下に記させていただきます。
>アメリカはいま、ケーガンのような「超大国の責任」を訴える声と、リッチのような「反省」を求める声に割れ、大統領は後者だ。
この「アメリカの姿勢」を、世界はどう見ているのか? と考えたとき、おそらく二つに分かれるのではないかと思います。
A)憂慮しつつ見ている。
B)もっけの幸い、と、ほくそ笑んで見ている。
B)の代表格は、おそらく誰の目から見ても、“超大国”を目指して驀進中の「中国」だと思います。
中国にとっての最重要課題は、おそらく、「目障りな日本を国際社会から抹殺する」ことでしょう。
オバマ大統領が以前、どこかで言っていた「アメリカは世界の警察官ではない」と併せ、「10年も戦い続けたアメリカには限界がある」、あるいは、「なんでも軍事力で解決できるというわけにはいかない」、などという言葉を、(中華型)方程式の変数として与えると、それは変換され、中国人の耳に 「中華帝国さん、あんたの好きにして オバマより」 と心地よく聞こえることでしょう。
習近平(Xi Jimping)が2013年6月7日にオバマにささやいた、「広大な太平洋には中米両大国を受け入れる十分な空間がある」という誘いに対する答えとして、オバマから「O.K.」という念願の答えがかえってきたと、習近平は思うのではないでしょうか。
いよいよ「中国の夢」を実現する時が来た、と習近平が勇躍する姿が目に浮かびます。
とは言え、中国にも悩みはあるように思います。
レアアース禁輸で日本を グゥ の音も出ないほど痛めつけたはずが、あまり グゥ と言ってもらえず、また、中国海軍の威力を世界にアピールすべく、自国の貨物船を護衛したが、ソマリアの海賊に襲われて人質までとられ、身代金で解決。更には、武力で領土を拡大したものの、その領土の上に住む先住民のことまでは気がまわらず、自ら撒いた阿漕(あこぎ)がたたって日夜レジスタンスにあっている。加えて、とにかく世界がびっくりするほど巨大にふくらませた風船は、いつはじけることやら、衆人環視のなかで覆い隠すこともならず、どうしたものか。 というように見えます。
オバマ大統領の頭の中には、過去(歴史哲学)はあまりなく、今をどうしのぐか(=中国とどううまくつきあうか。日本はそれを邪魔するな)が支配的のように見えます。
このような環境条件下で、日本はどうしたらよいのか?
それは、今のうちに懸案の「ロシアとの間の問題解決」および「北朝鮮との間の問題解決」を粛々と進めるのが良いのではないかと、自分(imomushi)は、素人考えをします。
日米関係が最重要であることに異論はありません。この重要な関係を壊したのは鳩山・菅ですが、オバマの政治理念も無関係ではないはずですので、本格的な回復はオバマ氏の次に期待したいと思います。