サッカー・アジアカップと中国の病理

執筆者:野嶋剛2011年1月27日

サッカー・アジアカップで日韓戦に盛り上がって一夜明けた今日、「そういえば中国チームはどうしたっけ」と思い起こしました。調べてみると、一勝一敗一分けでグループリーグで敗退していました。

アジアカップで中国と言えば、前々回大会の2004年に日本が優勝した時、決勝で戦ったのが中国でした。開催地が中国だったこともあって、大変な騒ぎだったことを思い出しました。思えば、あのころが中国サッカーのピークだったでしょうか。あれから中国サッカーは長い低迷期に入っています。今大会も復活を果たすことはできなかったようです。

中国人はサッカーが大好きです。日本人の想像もつかないぐらい。今回のアジアカップも夢中で見ていたでしょう。予想通り、ネットでは「なぜ人口が13億人もいるのに弱いのか」という議論が起きていました。

私の知る限り、中国でサッカー選手は大スターで、圧倒的な注目度を集め、給料もよく、選手は五輪のメダリスト並みにちやほやされます。たいした実績もないのに、練習を怠って派手な生活におぼれがちです。また、ヤミのサッカー賭博も盛んなのでいろいろな誘惑が多く、選手だけでなく、サッカー協会やチームの首脳にまで賭博関係者との腐敗が蔓延しました。

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