一刻も早い注水が求められる福島第1原発。自衛隊ヘリによる空からの放水は16日見送り、17日に実行された。上空の放射線量の低下を待った、というのが1日延期した理由だ。恐らく、放射線量は地上より上空の方が高かったのではないか。
 実は、米国は日本よりもむしろ徹底的な情報収集を進め、より適確な情勢判断をしている可能性がある。巨大地震発生の2日後、13日(日)に早くも米エネルギー省と原子力規制委員会(NRC)の専門家らが来日。米軍ヘリは福島原発上空を100キロにわたって飛行し、放射能チリを収集、セシウム137やヨウ素121などの放射性同位元素を検出したもようだ。  放射能チリに関する情報は北朝鮮核実験の時も注目された。
 放射能の検出は国民にとって必要な情報だ。14日付夕刊各紙は400ミリシーベルトの異常に高い値を地上で検出したと大見出しで報じた。しかし熱を帯びた放射能は上空に舞い上がるから、上空の方が高かったのではないか。
 チュー米エネルギー長官は16日の議会証言で、「日本の対策に満足しているか」との問いに対して回答を拒否した。徹底的な情報収集と状況判断で危ういと感じている恐れがある。長官は、さらに39人の専門家と7.8トンの機材を日本に派遣すると明らかにした。その中にはエネルギー省内の情報機関である情報・防諜局(Office of Intelligence & Counterintelligence)の要員も入っているだろう。

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