李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長解任劇の実相は諸説紛々だ。
 韓国の朝鮮日報は7月20日、李英鎬総参謀長が解任された直後、李氏を連行しようとした崔龍海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長配下の兵士と李氏の護衛兵との間で戦闘が起き、20人余りが死亡したと報じた。
 しかし、20人もの死亡者が出る交戦があったならば、米国や韓国の情報にキャッチされる可能性が高いが、米韓両国ともこの報道に否定的だ。
 また、脱北者の知識人でつくる「NK知識人連帯」は7月30日、北朝鮮現地からの情報として、李英鎬解任の状況を伝えた。以下はその内容である。
 党政治局常務委員会が7月15日に開かれ、張成沢(チャン・ソンテク)党政治局員らが準備してきた新経済改建政策(経済改革案)に対する党中央委員会の最終的な決定書を討議した。案件が極めて重要だったために政治局常務委員会拡大会議の形式で政治局員や政治局員候補も参加して開催された。
 政治局常務委員は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長、崔永林(チェ・ヨンリム)首相、崔龍海軍総政治局長、李英鎬総参謀長の5人で構成される。金永南委員長と崔永林首相は経済改革案に賛成を表明。崔龍海軍総政治局長は「新経済改建政策は金正日総書記の先軍政治路線を経済的な成果として受け入れ、人民軍隊の物質技術的保障をさらによくすることのできる政策」と称賛した。

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