「5060の蜂起」で誕生した韓国初の女性大統領

執筆者:平井久志2012年12月21日
 韓国大統領選に勝利し、ソウル市内にある保守系与党セヌリ党の党本部で支持者に手を振る朴槿恵氏 (C)EPA=時事
韓国大統領選に勝利し、ソウル市内にある保守系与党セヌリ党の党本部で支持者に手を振る朴槿恵氏 (C)EPA=時事

 韓国の大統領選挙が12月19日行なわれ、与党・セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)候補(60)が1577万余票、投票の51.55%を獲得し、1469万余票、48.02%を獲得した野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補(59)を破って当選した。激動を続けてきた韓国現代史は「初の女性大統領・朴槿恵」という新しいリーダーを生み出した。1987年の民主化以来、投票の50%以上を得て当選した初めての大統領であり、また、故朴正煕(パク・チョンヒ)大統領を父に持つ父娘大統領の誕生でもある。

 筆者は本サイトの最後の選挙戦報告で「風」と「投票率」が勝敗の鍵だと指摘した(12月17日「最後の『風』と『投票率』――激戦の韓国大統領選」)。選挙戦前日まで様々な噂が流れたが、結局「風」は起きなかった。「投票率」が鍵であるとの指摘は正しかったが、結果は筆者を含めた一般的予想とはまったく反対のものであった。投票率は75.8%という高いものになったが、投票所に足を運んだのは20代、30代の若者ではなく、50代、60代の高齢層だった。韓国初の女性大統領の誕生は「5060(50代、60代)の蜂起」が生み出した産物だった。

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