昨年12月26日に第2次安倍内閣が発足してから約2週間が経過した。この間に安倍晋三首相が打ち出した政策には、顕著な2つの傾向がある。1つは外交的にできるだけ失点を抑えようとしていること、もう1つは経済的にできるだけ得点を上げようとしていること、である。

 外交上の最少失点と経済上の最高得点。これが安倍内閣の序盤のキーワードだ。安倍首相は夏の参院選で勝利して、衆参ねじれ状況を解消し、思い通りの政治を遂行するためには、これが最善の戦略だとにらんでいるようだ。

 

「最も重要な2国間関係」

 伊勢神宮の参拝を終え、年頭の記者会見を行なう安倍首相=4日午後、三重県伊勢市 (C)時事
伊勢神宮の参拝を終え、年頭の記者会見を行なう安倍首相=4日午後、三重県伊勢市 (C)時事

 外交上の失点を抑える上で、1番やっかいなのは、歴史認識や領土をめぐって以前からぎくしゃくしている中国、韓国との関係だろう。安倍首相は昨年12月17日の記者会見や31日付の産経新聞に掲載されたインタビューで、中国との関係についてこんなふうに表現した。

「日中関係は最も重要な2国間関係のひとつだ」

 一般的に「最も重要な2国間関係」とは、日米関係を指すことが多い。安倍首相だけでなく、民主党の首脳クラスも日米関係にこそ、この表現を使ってきた。

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