東・南シナ海の米中情報戦の主役とは
2013年2月20日
中国海軍艦船が海上自衛隊護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した問題。危機一髪の危険な行為だったが、これがまさに、東シナ海を舞台とする「海の情報戦」の典型的な一局面だった。だが、情報戦の主役は中国側のフリゲート艦でもなければ、海上自衛隊の護衛艦でもなかった。
レーダー照射は謀略
それにしても、レーダー照射事件に関する欧米メディアの報道がそっけなかったのに少々驚いた。欧米メディアの編集者が、危険なのは安倍内閣の方であって、中国ではない、という先入観に囚われていたからではないか。現に、1月5日付の英エコノミスト誌は表紙に「日本の危険な内閣」との見出しを付け、本文では安倍内閣に右派政治家が揃っていることなどを伝えた。
彼らは、日本が先に手を出せば大ニュースになるという感覚だったのだろう。しかし、尖閣諸島問題ではこれまで、中国側の攻勢が続き、冒険主義的と言っても過言ではないほどの激しい言動が目立っていた。
昨年12月には、尖閣諸島で、中国国家海洋局所属の航空機1機が領空侵犯して航空自衛隊のF15戦闘機8機とE2C早期警戒機1機が緊急発進。さらに1月15日、尖閣諸島で中国機が警告を無視して領空侵犯を続けた場合、日本は警告弾を発射する方針、との報道もあり、緊張が高まっていた。
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