米国とロシアは、「欧州最後の独裁者」の悪名高いベラルーシのルカシェンコ大統領を政権の座から排除するため、協力する意思を固めたようだ。 米国は、人権侵害が激しく欧米との対決姿勢を崩さないルカシェンコ政権の存在を長らく問題視してきた。だが一方で、政権の受け皿となる野党勢力が脆弱なうえ、ベラルーシがソ連崩壊後も一貫してロシアとの連邦国家構成を志向してきたため、ロシアへの遠慮も働いていた。 だが、ルカシェンコ大統領はロシアのエリツィン前大統領とはともに破天荒な性格で波長が合ったものの、几帳面なプーチン大統領とは全く馬が合わず、今や犬猿の仲。クレムリンはルカシェンコ氏に見切りをつけ、天然ガス供給を時折止めるなどして政権転覆の機会をうかがうようになった。 ルカシェンコ大統領は、二〇〇六年に切れる任期を延長すべく、十月十七日に憲法修正の是非を問う国民投票を実施、徹底抗戦の構え。だが、米露に見捨てられた指導者の先は短い。米国の支援を受けた野党勢力のクーデターで昨年十一月に辞任に追い込まれたグルジアのシェワルナゼ大統領の例も記憶に新しいところだ。

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