米国とロシアは、「欧州最後の独裁者」の悪名高いベラルーシのルカシェンコ大統領を政権の座から排除するため、協力する意思を固めたようだ。 米国は、人権侵害が激しく欧米との対決姿勢を崩さないルカシェンコ政権の存在を長らく問題視してきた。だが一方で、政権の受け皿となる野党勢力が脆弱なうえ、ベラルーシがソ連崩壊後も一貫してロシアとの連邦国家構成を志向してきたため、ロシアへの遠慮も働いていた。 だが、ルカシェンコ大統領はロシアのエリツィン前大統領とはともに破天荒な性格で波長が合ったものの、几帳面なプーチン大統領とは全く馬が合わず、今や犬猿の仲。クレムリンはルカシェンコ氏に見切りをつけ、天然ガス供給を時折止めるなどして政権転覆の機会をうかがうようになった。

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