[随時更新]戦略視点で捉えるウクライナ最新戦況マップ
[随時更新]戦略視点で捉えるウクライナ最新戦況マップ (12)

2026年、ウクライナ和平の駆け引きと戦況の展望――2027年まで戦争が続く可能性

執筆者:岩田清文 2025年12月26日
エリア: ヨーロッパ
スロビャンスク、クラマトルスク、コスチャンティニウカ、ドルジュキーウカなどの諸都市は、南北約50キロにわたってウクライナの「要塞ベルト」を構成している(筆者の分析をもとに編集部作成)
トランプ政権主導の和平調停には実質的な進展がなく、ロシア・ウクライナ双方とも2026年初頭の時点で武器を置く見込みは低い。ウクライナでは「交渉による終結には前向きだが、降伏と受け止められる妥協は拒否する」のが世論の大勢だ。一方で、ロシア側も「軍事力による戦争目的達成」を選択肢から外す姿勢を示さないが、ドネツク州の残る約22%を制圧するにはなお1年半以上を要すると分析される。

出口の見えない和平交渉

 ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2月24日)から約4年が経過した現在、戦線は依然としてウクライナ東部を中心に維持され「膠着」と「消耗」が継続している。ウクライナ、ロシア、そして調停者を自任する米国は、この1年余り断続的に和平交渉を重ねてきたが、いまだ妥結点は見いだされていない。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
岩田清文(いわたきよふみ) 元陸上幕僚長。1957年、徳島県生まれ。79年、陸上自衛隊に入隊(防大23期)。第7師団長、統合幕僚副長、北部方面総監などを経て、2013年、第34代陸上幕僚長に就任。16年に退官。著書に『中国、日本侵攻のリアル』( 飛鳥新社)、『自衛隊最高幹部が語る令和の国防』 (新潮新書)、『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』(新潮新書)、『中国を封じ込めよ!』(飛鳥新社)、『君たち、中国に勝てるのか 自衛隊最高幹部が語る日米同盟VS.中国』(産経セレクト)、『国防の禁句 防衛「チーム安倍」が封印を解く』(産経セレクト)、『台湾有事のリアル 問われる日本の覚悟』(明成社)。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top