保守穏健派の大物政治家ラーリージャーニーの殺害が閉ざすイランとの交渉可能性

IN-DEPTH【ニュースの深層】

執筆者:村上拓哉 2026年3月19日
タグ: イラン
エリア: 中東
ラーリージャーニーは2015年の核合意、JCPOA成立を下支えした (C)EPA=時事
革命防衛隊とも政府の穏健派・改革派とも協調できる現実主義者は、米・イスラエルが出口戦略を描くならば重要な役割を果たしうる人物だった。昨年8月にイランの外交・国家安全保障政策を決定する最高機関、国家安全保障最高評議会の書記に再任されたのは、革命防衛隊の政治的影響力が肥大化する中でカウンターウェイト役が期待されたとも見られている。ラーリージャーニーの殺害はイランの軍国主義化を加速させる可能性が高い。

 アリー・ハーメネイー最高指導者が殺害された後、イランの体制指導部の要として存在感を発揮していたアリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会(Supreme National Security Council: SNSC)書記が、3月17日にイスラエルの空爆で殺害された。米国務省はモジュタバー・ハーメネイー新最高指導者を含むイランの指導者10人の情報提供者に最大1000万ドルの懸賞金を出すと3月13日に発表していたが、ラーリージャーニーはそのうちの一人でもあった。

 アリー・ラーリージャーニーは、保守穏健派の大物政治家であり、30年以上にわたって体制の中心人物として大きな政治的影響力を保持してきた人物である。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
村上拓哉(むらかみたくや) 中東戦略研究所シニアフェロー。2016年桜美林大学大学院国際学研究科博士後期課程満期退学。在オマーン大使館専門調査員、中東調査会研究員、三菱商事シニアリサーチアナリストなどを経て、2022年より現職。専門は湾岸地域の安全保障・国際関係論。
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