「敵なし」の安倍政権が向かう「政界再編」
2013年3月4日
2012年度補正予算案が2月26日の参院本会議で賛成117、反対116で可決、成立した。1票差の可決という、与党にとっての薄氷の勝利は今後の政局を読む上で象徴的な意味を持っている。そこに本格的な部分連合(パーシャル連合)時代の到来を感じ取れるからである。
日本の国会は衆院では与党が過半数を占め、参院では逆に野党が過半数を制するという「ねじれ」状況が長く続いてきた。このため、与野党が協調して賛成する法案は別として、そうではない法案、いわゆる与野党対決法案に関しては、政権与党は常に苦しい国会運営を強いられてきた。
自民党政権にしろ、民主党政権にしろ、政府・与党が思い通りの法案の成立を目指そうとすると、野党に牛耳られた参院の存在が必ず障害になる。政治停滞の原因は他にもいろいろと挙げられるが、与党の立場からみればねじれこそが諸悪の根源だったのである。
「ねじれ解消」は続くか
ところが今回の補正予算案採決で、与野党対決型の主要な議案であるにもかかわらず、ねじれが解消した。また、一時的なものに終わるかもしれないが、この採決で与党である自民、公明両党と一部の野党との間で部分連合が成立した。部分連合とは、複数の政党が閣僚ポストを得て連立政権を組むのではなく、個々の政策や議案ごとに与党が連携できる野党と手を結び、成立を目指す形態である。
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