リビアのカダフィ大佐の二男(二番目の夫人の長男)、セイフ・アル・イスラーム・カダフィ氏(三二)の“大胆な発言”に注目が集まっている。十月中旬に首都トリポリで開かれたセミナーで同氏は、カダフィ大佐の了解が不可欠なはずの重要政策にまで言及。後継者として一気に有力視され始めた。 セイフ氏を後継者とする見方は、これまでも専門家たちの間になかったわけではない。ただ、リビア政府の公式な肩書きを持っていないなど、その力量には疑問符がつけられてきた。 ところが、今回のセミナーでは欧米ビジネスマンを前にして、(1)リビアはいわゆる中東と決別する、(2)軍事部門に巨額支出は必要なくなったので開発支出を増加する、(3)こうした決定は西側との新たな関係到来を告げるもので、リビア市場は全世界からの投資に開放された――などの発言を連発したのだ。 一方で、かつては「将軍」の渾名で呼ばれ、影の外相とも目されたカダフィ大佐の従兄弟、アフマド・カダフィ氏は影響力の後退が顕著となってきた。消息筋は「女性好きのアフマド氏が中東の某国にスキャンダルをつかまれたのが原因」と解説している。

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