カダフィ後継に急浮上した「二男」

執筆者:Foresight 2004年12月号
エリア: アフリカ

 リビアのカダフィ大佐の二男(二番目の夫人の長男)、セイフ・アル・イスラーム・カダフィ氏(三二)の“大胆な発言”に注目が集まっている。十月中旬に首都トリポリで開かれたセミナーで同氏は、カダフィ大佐の了解が不可欠なはずの重要政策にまで言及。後継者として一気に有力視され始めた。 セイフ氏を後継者とする見方は、これまでも専門家たちの間になかったわけではない。ただ、リビア政府の公式な肩書きを持っていないなど、その力量には疑問符がつけられてきた。 ところが、今回のセミナーでは欧米ビジネスマンを前にして、(1)リビアはいわゆる中東と決別する、(2)軍事部門に巨額支出は必要なくなったので開発支出を増加する、(3)こうした決定は西側との新たな関係到来を告げるもので、リビア市場は全世界からの投資に開放された――などの発言を連発したのだ。

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