天照大神は女神なのか?――伊勢神宮の謎

執筆者:関裕二2013年6月17日
 伊勢神宮、内宮の入口「宇治橋」の前の大鳥居(筆者撮影)
伊勢神宮、内宮の入口「宇治橋」の前の大鳥居(筆者撮影)

 今年10月、伊勢神宮で20年に1度の式年遷宮が行なわれる。正殿と御垣内の建物が造り替えられるのだ。持統4年(690)に始められて以来、1300年の歴史を誇っている。社殿も、おおよそこのころ整えられたと考えられている。

 最高の社格を誇る伊勢神宮は、多くの人々を魅了してきた。江戸時代にはお蔭参りが流行り、日本各地から人が押し寄せた。

 ドイツの建築家ブルーノ・タウト(1880-1938)は、ほとんど直線だけで造形された社殿(唯一神明造)そのものの美しさを絶賛し、著書『日本美の再発見』(岩波新書)の中で、「完成した形の故に全世界の賛美する日本の根原」と評している。

 大自然に包み込まれた静謐な境内は、日本人の魂の拠り所とも考えられている。

 アニミズムと多神教の信仰と伝統は、まさに伊勢神宮に残されているといっても過言ではない。

 

巫女が太陽神そのものに

 しかし伊勢神宮は、謎のベールにつつまれている。不思議なことばかりなのだ。

 たとえば内宮の祭神・天照大神(あまてらすおおみかみ)は男神としか思えないのに、『日本書紀』は女神と主張している。

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