米中が問う安倍首相の「歴史問題対応力」

執筆者:会田弘継2013年6月21日

 米カリフォルニア州パームスプリングス近郊の保養施設「サニーランズ」で2日間にわたって行なわれたオバマ米大統領と習近平・中国国家主席の初の首脳会談は、消えかけていた「G2論」を世界に思い起こさせた。米中(G2)が世界運営を取り仕切るという考え方だ。会談で「新しいかたちの大国関係」を求めた習近平に対し、オバマも同意しているから、そんな懸念を日本が抱くのも無理はない。

 6月12日付『ニューヨーク・タイムズ』への米外交専門誌『フォーリン・ポリシー』副編集長アイザック・ストーン・フィッシュの寄稿は、その辺の日本の不安をのぞき見る米側の視点という、面白いアングルを提供する【Realpolitik and Spinning the U.S.-China Summit, The New York Times, June 12

 フィッシュは言う。安倍首相の 2月の訪米では首脳会談はランチだけの接待に終わったのに対し、習近平が2日間にわたりくつろいだスタイルと会談をオバマと行なったことに日本は「嫉妬」を感じていると、中国メディアは報じた。テレビでは高名な解説者が、米中は尖閣問題で「秘密合意」を結んだのではと日本は心配していると述べた。ウェブではさらに「日本はアメリカに裏切られたと心配している」とも報じられた。

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