7月12日、モスクワの空港内で人権団体関係者らと面会するスノーデン氏 (C)AFP=時事
7月12日、モスクワの空港内で人権団体関係者らと面会するスノーデン氏 (C)AFP=時事

 オバマ米大統領は「ビッグデータ大統領」と呼ばれている。

 昨年3月オバマ政権は「国家ビッグデータ研究開発構想」に2億ドル(約200億円)の予算を充てると発表した。国立科学財団は全米の研究機関を支援し、国立衛生研究所(NIH)ゲノム・プロジェクト、国防高等研究計画局(DARPA)XDATAと呼ばれる大容量の計算技術開発などが始まった。今年4月には経済界など民間も巻き込んで経済成長、教育、エネルギーへの利用促進が決まった。

 史上初の「ビッグデータ選挙」と呼ばれた昨年の大統領選では、有権者の動向に関するデータを収集・分析した詳細なデータベースがオバマ勝利の原動力になった。

 ビッグデータの基本はデジタル情報。情報総量に占めるデジタル情報の割合は2000年時点で約25%だったが、現在では98%を超えた。これをいかに賢明に利用するかが、経済、政治、安全保障上の大きな課題なのだ。

 しかし対テロ対策を名目とする個人情報のビッグデータ利用に対し、前代未聞の強烈な内部告発で重要な情報が暴露された。それがまさに中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン元職員(30)が起こした事件である。

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