「エジプト騒乱」で批判受けるオバマ大統領の「外交・安全保障」
2013年8月23日
〈エジプトの天安門事件だ〉――。
進歩派の英紙『ガーディアン』は8月15日付社説の見出しで厳しく断罪した。軍のクーデターに反発するエジプトのモルシ前大統領派のデモに対し治安部隊がすさまじい弾圧を始め、18日までに政府側の発表で死者は850人を超えた。
同紙は、軍主導でつくられた暫定政権は「ルビコン河を渡った」と見る。クーデターを仕掛けたシーシ国防相はイスラム組織ムスリム同胞団に対し「宣戦布告」をしたに等しく、もはや同胞団との政治的和解の希望はなくなった、と同紙は言う。【Military crackdown: Egypt’s Tiananmen Square, The Guardian, Aug. 15】
国際社会の反応は鈍い。黙認ではないか。特にカギを握る米国は口先の非難だけだ。エジプト軍への13億ドル(約1300億円)の援助を切らなくてはダメだ。シーシが勝利するのを待っているようではないか、とガーディアンは米国をも断罪する。
〈このすさまじい人権蹂躙に対し毅然とした態度をとらなければ、良心にもとる。アメリカの名折れだ〉
米紙『ワシントン・ポスト』の15日付社説も、直ちに軍への援助・協力を止めるよう求めた。軍を支援し続ければ、新たな独裁を生むことになると警告する。先月クーデターが起きた時点で、
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