「消費増税決断」でも垣間見えた「沈む維新」「浮かぶ公明」
2013年10月4日
安倍政権の将来とこれから数年間の政界の構図を占う意味で、きわめて重要な2つの出来事が9月末から10月はじめにかけてあった。1つは、安倍晋三首相による消費税率引き上げの表明。もう1つは大阪府の堺市長選での日本維新の会の敗北である。単なる敗北ではない。その敗因が問題である。
本当は上げたくなかった
安倍首相は10月1日の記者会見で、ついに来年4月からの消費税率の8%への引き上げを表明した。昨年成立した新しい消費税法が予定していた通りの引き上げ表明にようやく漕ぎつけられたわけだが、安倍首相が上機嫌だというわけではない。良く知られた事実だが、安倍首相は喜んで税率を引き上げたわけではなく、むしろ消極的だったからだ。
「これだけは言っておく。首相が消費税率の引き上げを指示したというが、そんなことはあり得ない。言うわけないだろ、首相は秘密厳守主義なんだ。いい加減な記事だな」
9月12日朝、記者団にこう噛みついたのは、菅義偉官房長官である。菅氏はこの日の読売新聞朝刊が「消費税来年4月8% 首相、意向固める」との見出しで報じた1面トップの記事に不快感を示したのだ。
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