1月1日、「新年の辞」を発表する金正恩氏(写真は朝鮮中央通信が2日に配信)(C)EPA=時事
1月1日、「新年の辞」を発表する金正恩氏(写真は朝鮮中央通信が2日に配信)(C)EPA=時事

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が2014年元日に「新年の辞」を肉声演説で発表した。昨年、金日成(キム・イルソン)主席の1994年の「新年の辞」以来19年ぶりに肉声演説をしたのに続くものであった。党機関紙「労働新聞」がこの「新年の辞」に付けたタイトルは、「われわれの運命であり、未来であられる敬愛する金正恩同志を千万年高く奉じていきます」であった。

 「新年の辞」は昨年12月の張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛清、処刑という「トラウマ」を抱えながら、自身による「唯一領導(指導)体系」を強化していこうという金正恩第1書記の決意表明だった。張成沢氏粛清のトラウマのせいか、体制の統制強化を優先させ、政策面では南北関係でやや融和的な姿勢を見せた以外は、新味に乏しい内容であった。

 

「なぜ見抜けなかったのか」

 金正恩第1書記は、張成沢氏という名前に言及することは避けながら「わが党は昨年、強盛国家の建設をめざす誇りあるたたかいの時期に、党内に潜んでいた宗派(分派)の汚物を除去する断固たる措置を取った」とし、張成沢氏は「宗派(分派)の汚物」とされた。

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