「中国の部屋」運営者の野嶋剛さんが、このほど『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)を上梓されました。公開が始まった『蒋介石日記』などの資料や関係者への緻密な取材により、政治家・蒋介石の人間像と日本人軍事顧問団「白団」の活動の実態が浮かび上がります。

 

以下は、野嶋さんがご自身のブログで新著を紹介した文章です。

 

新著「 ラスト・バタリオン 蔣介石と日本軍人たち」が、4月末、講談社より出版されました。

おおよそどんな本かと言いますと、戦後、蔣介石に請われて台湾に渡り、およそ20年のあいだ、台湾の軍の幹部や若手将校に日本式の軍事教育を授けた日本軍人たちについて取り上げたノンフィクション作品です。

彼らは「白団」と呼ばれ、岡村寧次・元支那派遣軍総司令をリーダーに、総勢100人以上の日本軍人が参加したものですが、日本・台湾それぞれの事情で、長く公の目から秘匿されてきました。

朝日新聞の台北特派員時代の2007年にこの白団の重要性を蔣介石日記の記述などから知り、日本帰国後、資料の収集・整理を続けると同時に、生存中の白団関係者から聞き取りを続け、ようやく一冊の本としてまとめることができました。

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