「ゆるやかな一夫多妻制」の時代へ

執筆者:藤沢数希2014年5月10日

 先進国の法律は、できるだけ個人の自由と機会の平等を保証するようにできている。この流れはどうやら不可逆的で、人種や国籍、年齢、性別などによる差別は、各国の法律で禁止され、また、文化的にも許容しない方向に進んでいる。 第28話で紹介した「The Global Gender Gap Report 2013」によれば、日本の「男女格差指数」は、調査された136カ国中の105位となっており、男女差別の是正に関しては遅れている。しかし、それでも、男女差別は無くしていく方向であることは、間違いない。 世界では、今後も必然的に、女性の社会進出が進んでいくのだ。その結果として、男女差別の是正で遅れている日本でさえ、20代ではすでに女性の可処分所得が男性のそれを上回った(第24話)。こうして、女性が経済的に男性に頼る必要が少なくなれば、女性が生活のために結婚したり、離婚を踏み止まる理由も少なくなる。 男女の経済的な平等が進めば、離婚が増えたり、結婚せずに子供を産む女性が増えるのも必然である。これは、女性の選択肢が増えるという点で、必ずしも悪いことではなく、むしろ社会が豊かになったことの表れだと、筆者には思える。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。