「対中サイバー戦」に備えた仕込み工作も――底知れぬ「スノーデン漏洩情報」の全貌
2014年5月21日
元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者による驚愕の暴露から6月でちょうど1年。
彼から入手した大量の米国家安全保障局(NSA)の機密文書に関する報道でピューリッツァー賞を受賞したグレン・グリーンウォルド氏の著作『暴露』が世界24カ国で同時発売、日本語版は新潮社から発刊された。
まさに、あの暴露を一冊にまとめたこの新著があらためて世界の注目を集めている。
だが実は、スノーデン容疑者が持ち出した機密文書の全貌はまだ解明されていない。推定では、彼がNSAから流出させた文書は150万点とも170万点ともみられており、当のNSA自体が被害全体を把握していないのが実情。未発表文書の中に、もっと重大な秘密が隠されているかもしれないのだ。
スノーデンに恩赦?
それがまさに、NSAのスノーデン被害調査タスクフォースの最大の悩みらしい。同タスクフォース主任からNSA副長官に昇格したリック・レジェット氏は昨年末、CBSテレビとのインタビューで、「私の個人的見解では、(恩赦について)話をする価値がある」と述べ、スノーデン容疑者が未発表の残りの文書を返却すれば恩赦を与えることを検討する構えを示した。
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