9月3日、記念写真に納まる安倍晋三首相(前列中央)と閣僚ら (C)時事
9月3日、記念写真に納まる安倍晋三首相(前列中央)と閣僚ら (C)時事

 第2次安倍内閣発足後初めての内閣改造を終えて、大手新聞各社のほとんどの世論調査で内閣支持率が上昇した。個別に見ると、毎日新聞の調査で支持率が横ばいだったのを除けば、朝日、読売、産経、日経の各紙でアップ。特に読売では約13ポイントも伸びている。

 もちろんこの結果について、安倍政権の国民的な人気を物語るものだと短絡的に結論づけるわけにはいかない。改造後の支持率上昇は歴代内閣でもよく見られた現象だからだ。ただし、発足から1年半以上が経過した内閣の支持率がいまだに50%を超えているのは珍しい。そういうことを総合的にとらえれば、安倍政権にはまだまだ勢いがあるとみていいだろう。

 

党内力学

 しかし、これまでは好調をなんとか維持してきた安倍政権も、先行きの心配がないわけではない。消費税増税の悪影響やアベノミクスの失速の兆候など、いろいろなマイナス要因を抱えている上に、年内には消費税率の10%への引き上げをめぐり決断を求められる。来年の通常国会では集団的自衛権に関連する安全保障法制の論戦もあって波乱含みである。

 そうした中で、年内に東日本大震災の被災地である福島県と米軍普天間飛行場移設問題が尾を引く沖縄県で県知事選がある。これらは局地的な戦いではあるが、来春に統一地方選、その翌年に参院選があり、衆院選もいつあってもおかしくない。その前哨戦となる両知事選で、自民党は絶対に連敗を避けたいところなのだが、現状では、両選挙ともに自民党の苦戦は必至。安閑としていられる状況ではない。

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