フランス人が選ぶ次の大統領は誰か

執筆者:国末憲人2007年4月号

すんなりとは終わらないのがフランス大統領選。サルコジ、ロワイヤルの一騎討ちになるとは、まだ決まっていない。[パリ発]フランス国内ではそれほど話題にならなかったが、中堅調査機関BVAが三月一日に発表した携帯電話ニュース用の世論調査結果は、かなり衝撃的な内容を含んでいた。「大統領選の支持傾向」と題する調査で、そのうち四月二十二日に実施される第一回投票の予想はごく順当だった。与党「民衆運動連合(UMP)」公認のニコラ・サルコジ内相が三一%とトップを走り、社会党公認のセゴレーヌ・ロワイヤル元環境相がやや支持を落として二五%と続く。中道「仏民主連合(UDF)」議長のフランソワ・バイルー元国民教育相は一七%で三位に入った。 意外だったのは、上位二人で争う五月六日の決選投票の予想である。世間の関心はサルコジ、ロワイヤル両氏の競り合いに絞られていたが、BVAがバイルー氏の決選進出を想定した設問を加えたところ、サルコジ氏を相手に五四対四六、ロワイヤル氏を相手に五五対四五で決選を制し、バイルー氏が大統領に選ばれるとの結果が出てしまったのだ。 仏大統領選がサルコジ、ロワイヤル両氏の一騎討ちと思いこむのは早すぎる。調査結果は、そうした現実を物語っている。

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