上海発、日本経済への警戒警報

執筆者:吉崎達彦2015年7月11日

  成田から上海に飛ぶ午後7時30分発のNH5715便は、定刻から1時間以上遅れていた。理由は「豪雨による浦東空港混雑のため」。言われてみれば当たり前のことなのだが、日本が梅雨の季節は中国大陸も同様であって、梅雨前線は「一衣帯水」なのである。
 6月26日、金曜日の夜であった。こちらは1週間の勤めを終えてから成田空港に移動し、さらにこれから飛行機に乗って上海に投宿し、明日は朝から国際会議という過酷な日程。そして筆者の周囲は、日本観光を終えた中国人観光客の老若男女ばかりで、もうじき帰国ということも手伝って、とってもハイテンションで賑やかであった。
 さらに、「ああそうか、『爆買い』の結果はこうなるのか…」と今さらながら気づいたが、皆が大量のお土産品を持ち込むので、機内では手荷物が入りきらなくなっていた。こちらとしてはなすすべもなく、エコノミークラスの後方座席で「ああ空気が薄い」と息をひそめていた次第である。

 上海には毎年1回は訪れているのだが、なぜか筆者が行くときはいつも雨になる。PM2.5のことを考えると、「雨男」はかならずしも悪いことではない。どうかすると現地の駐在員から、「運が強いですね」と冷やかされることさえある。

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