シナイ半島の武装勢力によるエジプト政府との衝突は次第に大規模化し、頻度が高まっている。これが人口過疎地のシナイ半島を越えて、スエズ運河を越えて、エジプトの本土に及ぶようになると、エジプトまでもが国家の崩壊に近ずくことになる。そのような事態は考え難い、エジプトは政権が不評だろうが非効率であろうが、「国家」の枠は他のアラブ諸国と違ってある、というのがこれまでの常識であるが、その常識を疑う時期が来ているのかもしれない。7月1日にはシナイ半島北部シェイク・ズワイドで「イスラーム国シナイ州」が一時エジプト軍拠点を占拠するなど、攻撃の頻度と強度は増している。

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