とにかく動きが早い、中東情勢。イエメン内戦も一瞬目を離しているとすぐ分からなくなる。先日この通信で、ラマダーンを口実にした人道休戦が7月10日から発効した、と書きましたが、10日に即座に破られていました。休戦が破られたと書く間もなく、7月17日のラマダーン明け「イード・アル・フィトル」の日には親サウジ勢力・ハーディー大統領側がアデン奪還宣言。「ラマダーン休戦」は何だったのか。停戦をどちらが先に破ったかはどちらも相手を非難していますが、結果的にサウジは、休戦の隙をついて空爆を強化し地上の同盟勢力「民衆抵抗」を動かしてアデンを奪還した形になっている。Yemen ceasefire broken 'within hours', al-Jazeera English, 11 July 2015. それにしても親サウジの反フーシー連合が「民衆抵抗」を名乗り、「ラマダーン休戦」の隙に攻勢を強めるとは、アラブ世界の政治概念の空洞化も極まれりといったところ。

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