トルコがついに、インジルリク空軍基地を米軍の対「イスラーム国」作戦に使用することを許可したと報じられている。

Turkey to Let U.S. Military Use Its Base to Launch Strikes Against Islamic State, The Wall Street Journal, July 23, 2015. 

この問題は昨年9月の対「イスラーム国」空爆開始以来、シリア国境に近いインジルリク空軍基地の使用許可をトルコが出さないことが大きな問題となっていた。7月20日のスルチュでの自爆テロや、それに対するクルド民族主義組織のトルコ政府批判・攻撃など、追い込まれた末に、決断した模様だ。7月22日のオバマ・エルドアン電話会談これについて詰めの交渉が行われたと報じられるが、大枠は以前に決まっていたことなのだろう。

しかしトルコは「シリア北部に安全地帯を設定する」という要求を出し続けてきており、対「イスラーム国」というよりは対クルドでシリアで軍事作戦を行いかねず、一層の混乱要因になりかねない。インジルリク空軍基地提供が、そういったトルコの独自行動を伴うものなのか、注目が必要。

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