トルコが22日の米・オバマ大統領との電話首脳会談でインジルリク空軍基地の米軍による使用を許可したと報じられるが、その見返りに、予てから主張してきたシリア北部への安全地帯設定を、部分的に勝ち取ったとする情報が流れている。匿名の政府関係者からのリークだろう。

Partial no-fly zone included in US-Turkey consensus, Hurriyet Daily News, July 24, 2015.

米国と合意したとする安全地帯の範囲だが、シリア北部の「(アレッポの北の)マーレアから(コバネの西約20kmの)ジャラーブルスまで」の、「国境から40−50km」付近までとのこと。つまり現在クルド勢力が伸長しているコバネ以東を除いた部分に安全地帯を限定し、若干妥協したという形である。トルコは本来はシリア北部の国境地帯の全域への安全地帯設定を要求していたが、これだとクルド人の地域全体をトルコの影響圏にしてしまうことになる。

安全地帯の内実として最も重要なのは、飛行禁止区域の設定であり、アサド政権の空軍の展開を排除することになる。それを執行するのは主に米空軍である。

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