8月2日早朝、トルコ南東部のアグリで爆発物を積んだトラックによる自爆テロが行われ、兵士少なくとも2人が死亡、24人が負傷。

クルド反政府武装組織PKKによる犯行とみられている。

Soldiers killed in suicide blast in eastern Turkey, al-Jazeera English, 2 August 2015.

7月24日以来の、トルコによるイラク北部のPKK拠点への空爆や国内の組織摘発に対して、PKKはトルコ南東部でのテロを連日行っており、トルコ兵少なくとも24人が死亡している。2013年から動き出していた和平プロセスは振り出しに戻った。当分は武力の応酬の局面になりそうだ。

板挟みになっているのがイラク北部で自治を行っているクルディスターン地域政府(KRG)である。KRGはトルコと良好な関係を持たなければならない理由がある。KRGはイラクの中央政府と緊張関係にあり、特にクルド自治区内の油田からの収入をめぐって争っている。「陸の孤島」であるKRGがイラク中央政府を介さずに石油を輸出するには、トルコを経由する必要があり、そのためにイラクのキルクークからトルコのジェイハーンまでのパイプラインを整備してきた。これが昨年から本格稼働を始め、国際法・通商慣行上の疑義は多々あるものの、実質上の輸出を可能にしてきた。

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