8月6日のサウジアラビア南部アスィール州アブハーでの、緊急特殊部隊の拠点にあるモスクへの自爆テロで、「イスラーム国ヒジャーズ州」が犯行声明を出した。

「イスラーム国」は各地に「州」を設定したと宣言し、それぞれの地域で呼応する集団を扇動している。

アラビア半島の中心部には「ナジュド州」を設定し、「ナジュド州」を名乗る勢力が東部州のシーア派モスクへのテロなどを行ってきた。

「ナジュド」はサウジアラビアを支配するサウード家の拠点である。それに対して、ヒジャーズは紅海沿岸の地域で、メッカとメディナを擁しており、預言者ムハンマドの血を引く貴族も多く住んでいる。その代表格であるハーシム家が20世紀初頭まではヒジャーズで影響力を持っていた。第一次世界大戦の際に「アラビアのロレンス」などイギリスの勢力とともにオスマン帝国からの独立を目指したのがヒジャーズのハーシム家である。

しかしナジュドで台頭したサウード家がヒジャーズも征服して、1930年代にサウジアラビア王国が成立した。ハーシム家は放逐され、イギリスの後押しでイラクとヨルダンとシリアの国王となった(シリアではフランスによって放逐され、イラクではクーデタで王政が倒れる)。

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