エジプトのシナイ半島を拠点に活動する「イスラーム国シナイ州」が、8月13日、カイロ郊外で誘拐していたクロアチア人人質を斬首したと音声メッセージで発表した。

Islamic State says in broadcast that it killed Croatian hostage, Reuters, August 13, 2015.

すでに前日12日に、殺害の写真が「イスラーム国」支持者たちによってインターネット上で流通させられており、「イスラーム国」側の声明はそれを確認した形だ。

これが事実であるとすると、「イスラーム国」の拡散がまた進んだことになる。

エジプトの「イスラーム国」はシナイ半島北部を拠点としており、エジプト本土でもしばしばテロを行ってきたが、標的は軍や治安組織に限定される傾向があった。それが、今回はカイロ郊外で、あたかもイラクやシリアやリビアなど紛争地であるかのように外国人を誘拐し、政治犯の釈放を要求した上で、斬首による殺害の誇示という手段を用いた。エジプトで「イスラーム国」への呼応組織がこの手法を用いたのは初めてである。日本人にも今後被害が及ぶ可能性がある。(7月22日に誘拐事件発生8月5日に脅迫ビデオが公開48時間以内の囚人釈放を要求8月12日に殺害写真の流通、8月13日に音声声明が公開)

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