「洞爺湖サミット」を反面教師にすべき「伊勢志摩」のおもてなし
2015年8月17日
来年、日本が議長国となって三重県志摩市賢島で開かれる先進国首脳会議(G7サミット)。食から外交を見るのをテーマにしてきたこともあって、関係者から「どのようなもてなしをしたらいいでしょう」と聞かれることがある。これに対する私の答えは「豪華さや品数に拘らず、吟味された食材で内容を重視した質実な料理を。それを外国のワインでなく、日本酒と日本ワインで」というものだ。
G8サミットは昨年、ロシアがウクライナのクリミア半島を併合したことの制裁の一環でロシアをメンバー国から排除し、G7となった。このため議長国だったロシアがソチで開くことになっていたサミットは、急遽、ブリュッセルに変更。そして今年は6月にドイツ南部のエルマウで開催された。
「洞爺湖」のメニューは……
G7サミットのもてなしを考える時、まず押さえておくべきは1泊2日の実務的な会議であることだ。食事会は初日夜がメインとなるが、あくまでワーキングディナーである。仕事をしながらの食事であり、議論に主目的があり、食事は従だ。
かつてG8サミットは2泊3日の日程で、初日の夜は仕事抜きで、ファーストレディー同伴の社交夕食会に充てられた。ゆったりと食事と歓談を楽しみながら首脳夫妻同士の交流を図った。G8サミットで社交夕食会がもたれた最後は、前回、日本が議長国となった2008年の洞爺湖サミット。この時のメニューがどんなものであったか見てみよう。
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