トルコでは6月7日の総選挙の結果を受けて進められてきた連立協議が不調で、11月の再選挙が濃厚との見通しを先日伝えた。その見通しは変わっておらず、8月23日の連立組閣期限を越えればエルドアン大統領は再選挙を宣言しそうだ

しかし再選挙をやるとむしろクルド系政党のHDPがさらに躍進するという世論調査結果が出ている。前回選挙では得票率では4位、議席は同数3位だったのが、得票率でも3位に浮上する可能性があるという。

"HDP could be Turkey’s 3rd biggest party, says pollster head," Hurriyet Daily News, August 19, 2015.

6月の選挙と現在の間に、トルコとクルド反政府武装勢力PKKとの和平交渉が頓挫して紛争が再燃しており、状況は変わっている。それが与党AKPと南東部のクルド人が多数を占める地域を支持基盤とするHDPのそれぞれの得票にどう影響を与えるかが再選挙の鍵となる。エルドアン大統領はHDPにPKKとの関係の嫌疑をかけて、支持者引き剥がしを図っている。HDPの6月選挙での躍進(10%の足切りラインの突破)の要因は、非クルドの政権批判層にも支持を受けた点がある。PKKとの闘争で、HDPから支持層が離れる可能性はある。AKPの支持率が高まっているという調査結果も出ていた

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