イエメン内戦にサウジ主導の連合軍が介入し、南部アデンをフーシー派から奪還して首都サヌアに向けて北上しているが、制圧後のアデン中心部に「アラビア半島のアル=カーイダ(AQAP)」の勢力範囲ができているという。

Yemen officials say al-Qaida seizes key areas of Aden, AP, August 22, 2015.

8月22日の夜にAQAPが支配下においたとされるのは、アデン港の西部の最重要区画タワーヒー地区である。これが事実ならとんでもないことだが、ありそうなことでもある。AQAPはアデンの周辺部に勢力を保ってきたので、アデンの守りが手薄になれば入ってくることはあり得る。

フーシー派を打倒したとしても、今度はアル=カーイダが勢力を伸ばしたのでは、イエメンの紛争は終わらない。サウジなど湾岸産油国が軍事介入を遂行する能力があるのかどうか、根本での疑念は今も晴れていない。

また、サウジは本気でアル=カーイダと戦っていないのではないか、反フーシー派・反サーレハ(前大統領)の戦いではアル=カーイダと同盟しているのではないか、という疑惑も出てくるだろう。

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