リビア内戦の主要勢力に歩み寄りの兆し

執筆者:池内恵2015年9月15日

リビア内戦の主要二大勢力の間で、和平と挙国一致内閣の合意が近い、と仲介に当たる国連特使ベルナルディーノ・レオン(Bernardino Leon)氏が、9月13日に、楽観的な見解を示している。

Rival Libyan groups agree to share power, Boston Globe (AP),  SEptember 14, 2015.

リビアは首都トリポリを拠点とする、ムスリム同胞団などを主力とする「リビアの夜明け」勢力(トリポリ政権)と、東部のトブルクを拠点にした昨年6月に行われた国会議会選挙で当選した国会を核とする、国際的に認められた政権(トブルク政権)が内戦を繰り広げる。それ以外にも、東部の主要都市ベンガジで複数のイスラーム主義勢力が相互に争い、トブルク政権側でエジプトやUAEに支援された「リビアの尊厳」勢力がさらに掃討作戦を試みるなど、入り乱れている。

モロッコのスヘイラを舞台に行われている、国連特使による仲介は難航しているが、今回は9月20日を期限と設定している。これまで目立った成果を出せなかったレオン特使の退任が近いとされるのに加え、暫定的にトブルクで設立している政権の任期も10月で切れるとされており、今回の期限で合意ができなければ交渉が振り出しに戻りかねない。

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