プーチン演説の概要

執筆者:池内恵2015年9月29日

国連総会でのプーチン大統領の演説を聞いてみた。9月28日12時半ごろ、日本時間では29日午前1時30分に終わった。

英訳を通じて聞いただけだが、抑えたトーンのものだったように感じられる

予想通り、アサド政権への明確な支持表明と、「イスラーム国」と他の反政府勢力をまとめて「テロリスト」と断定する姿勢で一貫していた。アサド政権とクルド人民兵のみが「イスラーム国」と戦いえているとした。

アサド政権支援を含む「テロ対策」への国際社会の連合を呼びかけ、安保理議長国として主催する中東・北アフリカのテロ対策会合での決議採択を呼びかけた。「イスラーム国」対策によって難民の波は止まる、と西欧諸国にささやきかける。これについては、実際にはアサド政権による迫害や空爆を逃れた難民も多いことから、いつも通り疑問符がつく議論である。

シリアへの軍事支援の増強については説明はしなかった。これについては、言葉ではなく、力がものを言うということなのだろう。

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