ロシアがシリア空爆を開始 標的は何か

執筆者:池内恵2015年10月1日

9月30日、ロシアがシリア空爆を開始した

ロシアはシリア軍に兵器を供給し、教育訓練を施してきた。最近は未確認情報ではロシア軍人が戦闘に参加しているとも言われてきたが、表向きは否定してきた。それが急激な軍事支援増強に続いて、初めて公然と直接軍事介入に踏み切ったことになる。

28日の国連総会での演説と、その後の会談で、プーチン・オバマ両大統領のシリアをめぐる主張平行線をたどった。【最も分かりやすく対立・相違が書かれている、ワシントン・ポストの記事

ロシアは自らが議長国である安保理でのシリア問題討議の結論を待つことなく、シリア空爆を開始した。

ロシアは空爆を「イスラーム国」に対するものと主張しているが、現実には「イスラーム国」が制圧していない地域に対しても空爆が行われているものとみられる。ロシアとアサド政権は共に、アサド政権へのいかなる敵対勢力も「テロリスト」と定義するため、実態は詳細に見ていかなければわからない。現時点では情報は錯綜している。

実際の目標は「イスラーム国」に限定されることなく、アサド政権の掌握地域のうち、脆弱な部分を支える幅広いものとなるだろう

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