シリア内戦のfog of warは巡航ミサイルの落下でいよいよ深まる
2015年10月11日
ロシアによるシリア内戦への直接的な軍事介入が9月30日に公然と開始されたことで、シリア内戦への国際的な関心は高まった。それまでは半ば「放置」されてきたシリア内戦が、中東の地域紛争の枠を超えて、米露間対立の焦点となったかのような、あたかもかつての冷戦状況が再現するかのような印象さえ与える展開になったことで、俄然、国際的なメディアの注目を集めるようになった。
しかし、ロシアの本格的な軍事介入に伴い、各勢力の活発な情報戦や、意図の隠匿、誤った意図の流布が行われていることは間違いなく、爆発的に増えた情報を確定的に精査することは格段に困難になり、紛争の実態は一層見えにくくなっている。戦時の状況の見えにくさを"fog of war"(「戦争の霧」)などと呼ぶが、シリアをめぐる情報の霧は深まるばかりだ。
例えば、10月7日に行われた、カスピ海上のロシア海軍艦船からのシリアへの巡航ミサイル攻撃についてもこれは言える。
ロシアは26発の巡航ミサイルを発射し、イランとイラクの上空を通過してシリアの標的に精密に誘導したと主張し、インターネット上に動画までアップして宣伝する。
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