新テロ対策特別措置法でもめにもめた臨時国会の最終日となった一月十五日午後、福田康夫首相は町村信孝官房長官や自民党の大島理森国会対策委員長、小坂憲次国対副委員長らを引き連れて、国会会期末恒例の各政党へのあいさつ回りに出かけた。最初に訪問した民主党控え室で首相らを出迎えたのは、同党の菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長、山岡賢次国対委員長ら。その席上、スイスで開かれる首相や民主党幹部が出席予定の「世界経済フォーラム年次総会」(通称・ダボス会議)について、こんなやりとりが交わされた。 大島氏「民主党の方々はいつダボスに行くんですかね」 鳩山氏「二十四日でしょうね」 町村氏「政府専用機で一緒に行きませんか。首相とずっと密談しながら。エヘヘヘ」 菅氏「さすがにそれは道徳上問題が、やっぱり……」 鳩山氏「それじゃあ政府専用機は前借りできますか?」 町村氏「そのアイデアはちょっとどうでしょうか」 町村氏が冗談まじりに提案した「政府専用機での密談」は、もちろん、昨年秋の大連立構想で政界を驚かせた首相と小沢一郎民主党代表へのあてこすりである。これに対して、鳩山氏の「前借り」発言には、近い将来に民主党が政権の座に就いて政府専用機を使うようになるという自負が込められている。

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