ウィーンでシリア問題をめぐる拡大外相会議がイランを含めて開始された。これに合わせるように、10月30日、米オバマ政権はシリア北部のクルド勢力に小規模(50名とも報じられている)の特殊部隊顧問団を派遣することを決めた。「訓練と助言」を任務とするという。間もなくホワイトハウスで正式に発表される模様である(追記:米東部時間30日12時55分頃:日本時間31日午前1時55分頃、ホワイトハウスのアーネスト報道官から正式発表)。

"Obama to Send Special Operations Forces to Syria to Help Fight ISIS," The New York Times, October 30, 2015.

空爆の実行とアサド政権派地上部隊の支援で攻勢に出るロシア・イランに対抗する意味もあるだろう。また、トルコが米政府もテロ組織と認定するPKKだけでなく、米国と同盟して「イスラーム国」と最前線で戦うシリアのクルド勢力PYDに対しても空爆を行ったのに対して、米国はシリア・クルド勢力への支援の姿勢を再確認する必要に迫られたとも言えるだろう。

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