11月1日に投票が行われたトルコ国会のやり直し総選挙の結果が、正式な発表はまだだが、現地メディアの報道主要政党幹部の発言によって明らかになりつつある。

報道によれば、エルドアン大統領の指導の下、ダウトール首相率いる与党AKP(公正発展党)が、今年6月7日投票の総選挙で失った単独過半数を回復する見通しである。開票が完全には終わっていない暫定的な数値では、AKPは49.37%の得票で、全550議席のうち315議席BBCは316議席と報じているが)を得るという。

AKPは6月の投票で得票率40.87%にとどまり、2002年以来の単独過半数を失って、各党と連立交渉を行ってきたが、不調に終わっていた。その間にシリア内戦をめぐる国際関係の激変や、クルド問題をめぐる紛争・衝突の再燃があり、中東で最も安定し、民主的な制度を運営してきたトルコですら、先行きが不安視されるようになっていた。

選挙結果を受けて、エルドアン大統領・ダウトール首相は少なくとも議会の支持・多数派の民意の付託という意味では、安定的な政権運営の基盤を得た

しかしAKPは、議会が憲法改正を国民投票なしで成立させられる3分の2の367議席には及ばず、議会が憲法改正を国民投票を経て行える5分の3の330議席にも辛うじて届かない見通しだ。エルドアン大統領が目指してきた、憲法改正による大統領権限の強化は、先延ばしになりそうだ。

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